キリスト教史年表(Y)
作成者:川上純平(2006年1月〜)
紀元2001年 |
アメリカでオサマ・ビン=ラディンを支持するアフガニスタンのテロ組織アルカーイダ(現在でもその背景的首謀者は不明であるとも言われる)によるものと思われる同時多発テロが起こる。その犠牲者数はおよそ3千人と言われる。世界教会協議会やカトリック教会を始めとする、世界中の多くのキリスト教会はアメリカ政府によるアフガニスタンに対する報復攻撃を批判したが、アメリカの一部のキリスト教会が支持する。 小泉純一郎首相の靖国神社参拝に対し、日本キリスト教協議会(NCC)等が抗議声明を発表する。 日本基督教団がアメリカとイギリスによるアフガニスタン攻撃に抗議する声明を発表する。 日本賛美歌学会設立 ハワイ沖で日本の宇和島水産高等学校練習船にアメリカの潜水艦が激突し、練習船が沈没する。 日本でテロ対策特別措置法が成立 日本でアメリカのアフガニスタン報復戦争支援のための自衛艦海外派遣が行われる。 |
2002年 |
アメリカのジョージ・ブッシュ大統領が一般教書演説でイラク・イラン・北朝鮮を「悪の枢軸」と発言。 ヨーロッパ統一通貨ユーロが流通開始される。 インドネシアのバリ島でテロがあり、191人が死亡。 モスクワでチェチェン武装集団によるテロがあり、110人が死亡。 日本で情報公開法が施行される。 歴史教育アジアネットワークJAPAN(キリスト教関係団体を含む約50の団体によるネットワークで、歴史教科書に反対し、第2次世界大戦における日本によるアジア侵略について正しい認識を持ち、アジアの人々と連帯しつつ、日本の状況をアジアに伝え、アジアの状況を日本に伝える団体)が設立される。 日本基督教団が日本キリスト教連合会に再加入。 日本基督教団賛美歌委員会編『こどもさんびか改訂版』が出版される。 日本基督教団が第33回総会にて靖国・天皇制問題情報センター、会堂融資組合を廃止し、性差別問題特別委員会を小委員会とし(結局、小委員会も設置されず廃止されてしまう)、沖縄教区が提案した「合同とらえなおし関連議案」を廃案としてしまう。 キリスト教学校教育同盟(「基督教教育同盟会」を前身とし、現在約100校ものキリスト教主義学校が加盟している)が日本基督教団関係団体に加盟する。 |
2003年 |
イラク戦争起こる(アメリカ単独の先制攻撃によって行われる)。 ヒトゲノム(人間の遺伝情報の総体、約30億の塩基対のDNA)の塩基配列解読が完了 同志社大学神学部・神学研究科が「一神教学際研究センター」(CISMOR:キリスト教・ユダヤ教・イスラーム等の一神教世界についての研究・教育を行うことにより、それらの宗教における共存・共生をめざしたセンターで、多神教及びそれを土台とする日本文化についても研究を行う)を設立する。 日北米宣教協力会総会が開かれ、日本基督教団から19名が参加、日北米宣教協力会解散を決定。 日本基督教団が第9回台湾基督長老教会との協議会を開き、教団から16名が出席、共同声明を発表。 日本で個人情報保護関係5法公布 日本で有事関連法成立 |
2004年 |
スペインで列車爆破テロがあり、約200人が死亡 メル・ギブソン監督による映画『パッション(受難)』が上映され、信仰を呼び起こすものとして高い評価を得る一方で、暴力的シーンや反ユダヤ主義的傾向に批判が集まる。 同性間結婚がアメリカ・マサチューセッツ州で行われる。 スマトラ沖地震が起こる。 日本の自衛隊がイラクに派遣される。 日本基督教団がイラクの「自衛隊即時撤退を含めた人命最優先の対応を要求する声明」を発表 日本で新潟県中越地震が起こり、諸教会が救援ボランティア活動を始める。 日本基督教団が新潟県中越地震被災教会会堂等再建支援委員会を設置。 日本基督教団に属する人々を中心にして、日本基督教団の所属団体とは異なる「靖国・天皇制問題情報センター」が結成され、第1回総会が行われる。 沖縄の辺野古で米軍海上基地建設を阻止するための非暴力的阻止行動が始まり、日本の諸教会も連帯する。 日本で国民保護法成立 日本で改憲論議が行われていることに際して「九条の会」が発足する。 |
2005年 |
ベネディクト16世がローマ教皇に即位 バチカンが同性愛者聖職禁止文書を公表する。 キリスト教超教派団体創設者「テゼ共同体」のブラザー・ロジェ殺される。 英国国教会が同性愛聖職者の結婚を認める。 地球温暖化に対する国際的な取り決めを行った「京都議定書」が発効される。 EU(ヨーロッパ連合)地域が企業における温室効果ガス排出権取引の手法である「キャップ・アンド・トレード」を導入 国連総会においてヒト・クローン技術の全面的禁止を各国に求めた政治宣言が可決される。 アメリカ・カリフォルニア州、カナダ、スペインにて「同性間結婚」が合法化される。 ビリー・グラハム牧師が最後の伝道集会を行う。 アメリカで巨大ハリケーン「カトリーナ」「リタ」が発生。 パキスタン地震起こる。 1993年に建設工事が始まった青森県六ケ所村にある核燃料再処理工場がこの年に操業開始予定となる(しかし、トラブル続きで2009年7月現在操業開始に至っていない)。 NCCが最高裁判所による狭山事件の特別抗告棄却決定に抗議する声明を発表 異なる宗教者同士による憲法9条を尊ぶ「宗教者九条の和」が発足する。 |
2006年 |
英国国教会が奴隷売買に関わったことを謝罪、また同性愛者の聖職者を認める。 「ユダの福音書」についての調査報告が発刊される。 2003年に始まったイラク戦争についてブッシュ大統領が「主要な戦闘の終結」を宣言。 アメリカ・ペンシルバニア州にてメノナイト系の教派「アーミッシュ」が運営する学校に男が乱入、児童5人を射殺、5人に重軽傷を負わせて自 殺に至る。 ブラジルにて第9回世界教会協議会総会が開かれる(主題は『世界を変える、あなたの恵みにおける神』で、声明「一つの教会となるために」を採択したが、アメリカの教会指導者たちが「イラク戦争を止められなかった」と自己批判も行なった)。 ダン・ブラウン原作の映画『ダ・ヴィンチ・コード』(キリスト教の歴史の中に、あることが隠されているということがモチーフとなっている作品で、その中にレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画も暗号を解読するためのものとして用いられているわけであるが、その中で主張されているキリスト教についてのいくつかの説は神学的根拠が不十分でファンタジーに近い。キリスト教の中にある性差別への関心もこの作品の土台の一つとなっていると思われる)世界各地で上映され、カトリック諸教会が反発、物議を醸す。 インドネシア・ジャワ島中部地震が起こる。 中国で非公認の宗教団体「家の教会」に対する迫害行われる。 日本で日本聖書協会主催の国際聖書フォーラムが開かれる。 日本基督教団第35回総会が行われ、宣教協力協議会解散に伴いその役割を教団が担うこととし、世界宣教協力委員会を世界宣教委員会に改編し、教団事務局に世界宣教部を設置することとした。 北朝鮮がミサイル発射及び地下核実験を行なう。 |
2007年 |
ローマ教皇が6歳のイタリア人少女を列福する。 ドイツ・プロテスタント教会が若者に対する社会の寛容さを促進させるためラップ音楽を使用する。 英国国教会の礼拝でイギリスのロックバンドU2の曲が使用される。 スコットランド(長老派)教会議長に女性牧師が選ばれる。 アフリカのケニアで全世界キリスト者フォーラムが行われ、教会指導者240人が参加。 ブッシュ大統領による「主要な戦闘の終結」宣言後のイラクにおいて攻撃、テロや衝突により民間人の犠牲者数が7万人を上回る(2007年8月末現在)。 アメリカ合同メソジスト教会が安倍晋三首相の従軍慰安婦問題についての発言を批判。 アメリカで韓国人団体が靖国神社合祀反対キャンペーンを行なう。 ペルーで大地震が起こる。 インドで人権を守るデモを行ったキリスト者たち4000人が逮捕される 能登半島と新潟県中越地方で震度6強の地震が発生、日本のキリスト教会も被災者支援を行なう。新潟県中越地方で起きた地震では、柏崎刈羽原子力発電所内部に地震による破損等が見られ、一時、発電所が活動停止となった。 長崎県の伊藤一長市長が短銃で撃たれ、死亡する。 NCC教育部が「日本日曜学校協会」が100周年を迎え記念礼拝とシンポジウムを行なう。 NCCが「国民投票法案=改憲手続き法案」の強行採決を憂慮し、抗議する声明を発表。 地球温暖化に伴い、日本国内での気温が過去最高を記録する(埼玉県熊谷市で43度)。 ポナペ支援会会長であり、ポナペ・ワークキャンプに尽力された故白神章道牧師のミクロネシア連邦ポナペ島での納骨式(骨をポナぺの地に納める式:分骨)のための「ポナペ宣教交流の旅」が行なわれる。 沖縄にて日本軍が住民に「集団自決」を強制したという記述が教科書検定で削除され、その撤回を求める沖縄県民大会が開かれ、11万人が集まる。 日本基督教団が歴史教科書における歪曲を批判し、撤回要望書を提出 日本基督教団第35回総会期第3回常議員会で「未受洗者への配餐」を行なう日本基督教団のとある牧師に対して「教師退任勧告」が可決されるが、それについての議論が十分になされていないことや教団が合同教会であること、教団の多様性、聖書学・宣教学などの視点等から、抗議と撤回を求める運動が諸教区・諸教会等で行なわれる。 9条アジア宗教者平和会議が日本で開かれ、土井たか子元社会党委員長や日本基督教団牧師である平良夏芽氏による講演等が行なわれる。 |
2008年 |
ローマ教皇がカトリックとイスラーム教徒が対話を行う「カトリック・イスラム教徒フォーラム」の開設を承認 ローマ教皇がアメリカを訪問し、ヤンキースタジアムで礼拝を行い、カトリックの司祭たちによって性的虐待を受けた少年・少女たちと会見し謝罪する。 ローマ教皇が1966年に「キリスト発言」を行なった元ビートルズの故ジョン・レノンを赦免 ローマ・カトリック教会がES細胞を医学に用いること、また体外受精を生命倫理な観点から罪とする声明「ディグニタス・ペルソナエ(人間の尊厳)」を発表。 英国国教会で女性の主教が認められる。 ヨルダン北部にて紀元1世紀頃に建造された世界最古のキリスト教会(地下礼拝所)が発見される。 アメリカで史上初のアフリカ系黒人大統領として民主党のバラク・オバマ氏(アメリカの会衆派教会の信徒でもあった)が当選 アメリカ・アリゾナ・カリフォルニア・フロリダ州にて同性結婚権の廃止を認めた州憲法改正案が可決される。 カナダのルター派教会で同性愛者の牧師が認められる。 ミャンマーでサイクロン、中国四川省で大地震が起こり、日本のキリスト諸教会及び諸団体も募金活動を行なう。 インド・ムンバイで同時多発テロ勃発。日本人1人を含む170人が犠牲となる。 海上自衛隊イージス艦が漁船と衝突、漁船の親子が行方不明に。 大阪地裁が沖縄戦集団自決に日本軍が深く関わったとする大江健三郎氏の主張を認める。 公立学校の卒業式で「日の丸・君が代」の強制に対して不起立を行ない、都教育委員会により停職6ヶ月の処分を受けていた根津公子氏が教壇に復帰。 名古屋高裁が自衛隊イラク派兵を憲法9条違反とする。 「9条世界会議」が千葉の幕張メッセで行なわれ、31の国々からの参加者も含めて2万人が参加 「G8宗教指導者サミット」開かれ、約30の国や地域から100人が参加する。 国会で「アイヌ民族」を日本の先住民族と認める決議案が採択される。 岩手・宮城内陸で震度6強の地震が起こる。 NCCの靖国神社問題委員会等が石原慎太郎東京都知事の靖国神社参拝中止を都に要請。 日本キリスト教会が「日本軍従軍『慰安婦』問題と取り組む会」が「国民基金」の勉強会を行なう。 日本基督教団第36回総会が開かれ、沖縄教区から13人の推薦準議員が参加し、「未受洗者への配餐」を行なう同教団のとある牧師に対して第35回総会期第5回常議員会における「戒規(免職)申立を行う件」の決議を無効とすることに関する件が賛成多数で可決される。 在日大韓基督教会宣教100周年記念大会が開かれる。 キリシタン弾圧下にあって殉教した日本人ペトロ岐部ら188人の日本国内で初めての列福式がカトリック教会によって行なわれる。 自衛隊の多母神俊雄幕僚長が懸賞論文で日本の第2次世界大戦中の侵略行為を否定し、更送される。 航空自衛隊がイラクから撤収する。 この年、日本では食についての問題から生じた不信、経済的不況から生じた大規模なリストラ、就職難問題等も多く見られた。 |
2009年 |
ローマ・カトリック教会が大気圏外に知的生命体が存在することを認める。 アイルランドのカトリック教会において司祭たちによる性的虐待を含む児童虐待が行なわれ、枢機卿や大司教らは謝罪の意を表したが、それを隠蔽していたことに関してローマ教皇が批判する。 イスラエルによるガザ侵攻が行なわれ、世界各地のキリスト教関係団体がイスラエルを批判し、暴力行為の即時停止を求める。 イラクから米軍が撤退するが、アフガニスタンに米軍が増強される。 アメリカのバラク・オバマ氏が第44代アメリカ大統領に就任し、プラハでの「核なき世界」演説等でノーベル平和賞を受賞。 アメリカで「同性愛者保護法」が成立し、アメリカ合同キリスト教会が同法を歓迎する。 ダン・ブラウン原作の映画『天使と悪魔』(同原作者による前作の『ダ・ヴィンチ・コード』と同じくトム・ハンクス扮する宗教象徴学者のロバート・ラングドン教授がバチカンを中心としてローマを舞台に活躍するフィクション映画)が上映され話題を呼ぶ。 新型インフルエンザが世界的な大流行になる。 フィリピン、インドネシア西部スマトラ島沖、サモア諸島沖で、それぞれ台風・地震・津波が起こり、世界各地のキリスト教関係団体を含む諸団体が救援・募金活動を行なう。 北朝鮮が核実験を行なったことに対してWCC総幹事が多大な懸念を引き起こしたと発言。 2004年に第30回を持って終了したポナペ・ワークキャンプが再び開始される。 日本基督教団が代表となる「『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議」が行なわれる。 日韓神学者学術会議が長老会神学大学で開催され、250人が出席。 「日の丸」「君が代」を拒否し、懲戒免職処分を受けた教職172人が処分取り消しを求めた裁判で、東京地方裁判所は請求を棄却する。 外国人に対する入管法等の改定案が国会において審議されたのに対してキリスト教諸教派が反対の意思を表す「共同声明」を行なう。 「プロテスタント宣教163年記念シンポジウム」が沖縄キリスト教学院で開催される。 「日本プロテスタント宣教150周年記念大会」が行なわれ、1万6千人が参加。 市民が裁判に加わる裁判員裁判が始まるが、キリスト教関係団体を含む諸団体がその制度に対して反対する。 衆議院選挙で民主党が圧勝し政権交代が行なわれ、鳩山由紀夫を第93代首相とする連立内閣が発足。 「日本聖公会宣教150周年記念」プログラムが立教大学で行なわれる。 ルーテル学院大学創立100周年記念式典がルーテル学院大学で行なわれる。 日本キリスト教連合会が民主党幹事長の小沢一郎氏に対して「キリスト教やイスラーム教等の一神教は排他的で独善的だ」とした同氏による発言を撤回するよう求める抗議文を送る。 昨年に引き続き日本を含めて世界レベルでの経済的破綻と不況、及びそれに伴う様々な出来事等があった。 |
2010年 |
ローマ・カトリック教会がビートルズの音楽を称賛する。 アメリカで「ゲノム(全遺伝情報)」を人工的に合成し、別の細菌に移植して働かせることに成功。移植を受けた細菌は、その人工ゲノムによって自己増殖したとされる。 アメリカのニューヨークで2001年の「9・11世界同時多発テロ」があった「グラウンドゼロ」付近にイスラーム教の施設やモスクを建設することをめぐって論議が起こり、フロリダ州のキリスト教会の牧師がコーランを燃やして抗議すると発言。この発言が海外でも物議を醸し、同牧師はコーランを燃やすのを断念。 世界のキリスト教の主流諸教派において同性愛聖職者容認等、セクシュアリティに関する問題で様々な動きがあり、議論が行われる一方で、一部離脱も行われた。 ナイジェリアでイスラーム教武装グループがキリスト者200人以上を虐殺する。 ハイチ、チリ、中国青海省で、それぞれ大地震が起こり、世界各地のキリスト教関係団体を含む諸団体が救援・募金活動を行なう。 チリの鉱山で落盤事故が起こるが、33人全員が無事に生還。 韓国の哨戒艦が爆発・沈没され、国連は北朝鮮によるものと発表。 北朝鮮が韓国の大延坪島を砲撃、それに対して韓国も応戦。 砂川政教分離訴訟が行われ、最高裁判所は市が神社に土地を無償で提供していることを違憲であるとする判断を示す。 日本聖書協会が「新共同訳聖書」に続いて新しい日本語訳の聖書を出版することを発表する。 東京都教育委員会が卒業式で「君が代」斉唱時に起立せず、ピアノ伴奏をしない教職員を懲戒免職処分にしたが、そのうちの2名はキリスト者で信仰を理由にそれを拒否していたことがわかった。 口蹄疫感染の牛が宮崎県で発見される。 沖縄で米軍普天間基地県内移設に反対する集会が開かれる。 菅直人が第94代首相に指名される。 関西のプロテスタント諸教会に消火器が投げ込まれ、その容疑者が逮捕される。 改正臓器移植法が施行される。 尖閣諸島沖で中国の漁船が日本の海上保安庁巡視船と衝突。 日本基督教団第37回総会が開かれる。この総会においては「教団の一致」をテーマとし、それを目指しながらも、沖縄教区からは議員が一人も出席せず、「未受洗者への配餐」を行なう同教団のとある牧師に対して同教団審判委員会が同牧師の免職を決定したことに関わる様々な質問や批判の声があったが、「聖餐」との関わりでの十分な議論等はなされないまま終わり、「合同問題」関連議案、セクシュアル・マイノリティ差別に関する議案等は否決された。 日本基督教団宣教研究所が日本基督教団信仰告白、十戒、主の祈りについて問答形式で学ぶキリスト教信仰入門書である『信仰の手引き』を発刊。 キリスト教学校教育同盟が設立100周年記念式典を行なう。 この年、日本では記録的な猛暑日が続き、それが作物や魚介類に大変な打撃を与え、また高齢者らを苦しめるに至った。 |
2011年 |
イギリスBBC放送が非キリスト者の感情に配慮して、紀元を表す「AD」「BC」の代わりに「CE」(共通紀元)、「BCE」(共通紀元前)を採用することを明らかにする。 アメリカのアフリカ系神学校で宣教に「ヒップホップ」音楽(そもそもは1970年代にアメリカ・ニューヨークのアフリカ系アメリカ人やカリブ系・ヒスパニック系アメリカ人の文化運動を意味したが、これが80年代にラップやスクラッチ等を用いる音楽の用語として用い始められ一般化したもの)を用いることが評価される。 アメリカ長老教会が同性愛教職を容認する。 3月17日、世界教会協議会(WCC)等のキリスト教団体がヨーロッパに配備されているアメリカの核兵器を全て撤去するよう要求する書簡を北大西洋条約機構(NATO)、アメリカ、ロシアの指導者に送る。 1月14日、北アフリカのチュニジアでベンアリ政権が民主化要求デモにより崩壊、2月にはムバラク政権が倒れ、民主化運動がリビアやシリア、イエメンなどアラブ諸国に広がる。 2月22日、ニュージーランドにてマグニチュード6・3の地震があり、日本人28人を含む180人以上が死亡。 5月2日、米軍によって国際テロ組織アルカーイダの指導者オサマ・ビン=ラディンがパキスタンの隠れ家で殺害される。 9月以降、タイ中部で洪水が発生、700人近くが死亡。 中国、北京で非公認プロテスタント地下教会が公共用地で礼拝を計画し信徒が警察に拘束される。 12月17日、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記が69歳で死去、三男の正恩(ジョンウン)氏が後継者となる。 1月28日、東京高裁にて東京都教育委員会による日の丸・君が代強制処分に対して都職員400名が敗訴、3月10日、同高裁にて東京都教育委員会による日の丸・君が代強制処分を取り消す判決が下され、都職員168名が逆転勝訴する。 3月11日、マグニチュード9の東日本大震災が発生し、同時に地震による10メートルを超す大津波が東北太平洋沿岸に押し寄せ、死者・行方不明者数は合わせておよそ1万9000人(2011年12月現在)、その地にあるキリスト教会も被災したが、他のキリスト教会が救援・支援活動を行なった。 東日本大震災とそれによる津波により福島第1原子力発電所にて放射能爆発事故発生、それによる放射能汚染で東北・関東を中心に日本各地に深刻な被害が出る。 4月22日、東京の最高裁判所で沖縄戦において軍隊による集団自決強制があったことが認められ、大江健三郎氏が勝訴。 8月29〜30日、日本基督教団銀座教会を会場に「東日本大震災緊急シンポジウム」が開催され、主題「現代日本の危機とキリスト教」の下440名が参加。 9月2日、野田佳彦が第95代首相に指名される。 9月3日、台風12号が四国から中国地方を縦断、2日には15号が静岡県に上陸、この二つの台風による記録的大雨で死者・行方不明者数は合わせて112人に上った。 9月11日、日本基督教団大船渡教会を会場に同教団主催の「911246祈りと礼拝の時」が行なわれ、約60名が出席。 この年は大震災を始めとする自然災害と原子力発電所による放射能爆発事故もあって、経済的見通し等について国内全体が暗い雰囲気に包まれたが、東日本復興に力が注がれ、結束力も強まると同時に、「自然」「科学」とは何かについて関心が高まった。またキリスト教界においては信仰的・神学的にこれをどう受け止めるかについても議論がなされた。 |
2012年 |
欧州合同原子核研究所が「ヒッグス粒子」を発見。 シリアで政府側と反政府側間の内戦が勃発。 アメリカのテネシー州で公立学校の教師が「進化論」に異議を認めても良いとする法案が成立。 バラク・オバマ氏が第45代アメリカ大統領に再選される。 カナダのモントリオール世界映画祭で高倉健主演の映画『あなたへ』(降旗康男監督)が「エキュメニカル賞」特別賞を受賞。 中国で古代マヤ暦に基づいて12月21日を「世界の終わり」とする説を説いた新興宗教団体「全能神」の取り締まりが強化される。 韓国で統一協会の創立者文鮮明氏が死去。 韓国で朴槿恵氏が韓国初の女性大統領に当選する。 北朝鮮が国際社会の警告を無視して長距離弾道ミサイルを2回発射。 3月、2011年3月の福島第1原子力発電所放射能事故の影響で国内の商業用原子力発電所50基が全停止となる。 3月19日、「原発体制を問うキリスト者ネットワーク“CNFE”」 の設立総会が開催される。 3月23日、「東日本大震災国際神学シンポジウム」が女子聖学院で開催される。 5月19日、本多庸一の召天100年を記念する式典が青山学院大学で行われる。 7月5、6日、日本聖書協会主催の「国際聖書フォーラム2012」が開かれる。 7月、東京電力株式会社が国有化される。 8月、日韓両国が領有権を主張する島根県竹島を韓国の李明博大統領が訪問したことで日韓関係が悪化。 8月、ロンドン・オリンピックで日本がメダル38個を獲得。 9月、日本政府が沖縄県・尖閣諸島を国有化し、それに伴い中国では反日デモが起き、中国による領空・領海侵犯も多く発生するに至る。 10月、沖縄普天間飛行場に米軍新型輸送機オスプレイが配備され、沖縄県住民がこれに反発。 10月23‐25日、「第38回日本基督教団総会」が「伝道する教団の建設」を主題として開かれる。この総会で「日本伝道の推進と教団の教師養成の重要性をふまえ、教団と東京神学大学との関係を回復する件」は可決されたが、それ以外の聖餐や北村牧師、教憲教規、同性愛、合同のとらえなおし、国の政策の右傾化関連等のほとんどの議案が廃案となる。なお、「『信仰告白』と『教憲・教規』における洗礼と聖餐の〈一体性と秩序〉とを確認する件」、「原発関連議案」は常議員会付託として承認された。 11月7日、東京電力女性社員殺害事件の再審第1回公判が東京高等裁判所で行われ、ネパール人ゴビンダ・プラサド・マイナリ氏に無罪判決。 12月5‐7日、「原子力に関する宗教者国際会議」が福島県で開催される。 12月10日、「人口多能性幹細胞(iPS細胞)」の開発で山中伸弥京都大学教授がノーベル医学生理学賞を授与される。 12月26日、衆議院選挙で自民党と公明党が圧勝し再び政権交代が行なわれ、安倍晋三氏が第95代首相に指名される。 |
2013年 |
初の中南米出身ローマ教皇としてアルゼンチン出身のフランシスコが即位 英国国教会が総会において女性主教を容認する姿勢を示す。 イギリスで同性婚を認める法案が成立する。 英国国教会が総会で女性を聖職者に叙階することを認め、司祭による児童性的虐待について正式に謝罪する。 スコットランド教会(長老派)が同性愛教職を認める。 ロシア中部に隕石が落下、およそ1200人以上が負傷。 アメリカ福音ルーテル教会が同性愛者の牧師を監督に選出する。 アメリカのカトリック教会とプロテスタント4教派がテキサス州オースチンで洗礼式を相互に認知する合意書に署名する。 アメリカのCIA元職員エドワード・スノーデンが国家安全保障局(NSA)を内部告発し、NSAが世界各国のインターネットや電話の通信記録を集積していたことを暴露する。 イスラエル北部ガリラヤ湖北西岸のミグダル(マグダラ)でイエスの時代のものと見られるシナゴーグ跡が発掘される。 シリア内戦で化学兵器が使用され、シリア政府はロシアの働きかけによって自国の化学兵器廃棄にあたった。 アルジェリア南東部の天然ガス施設がイスラーム武装勢力に襲撃され、多数の外国人が人質となり、日本人10人を含む40人が殺される。 南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領が93歳で死去。 台風30号がフィリピンに上陸、死者・行方不明者は合わせておよそ7000人、最大瞬間風速は秒速105メートルとされ(2013年12月現在)、キリスト教関係諸団体を含む世界各国が援助の手を差し伸べる。 中国政府が東シナ海の広範な領域に防空識別圏(ADIZ)を設定、日本を始めとする国々が反発する。 北朝鮮が3回目となる地下核実験を行い、多くの国々から非難を浴びる。 釜山にて第10回世界教会協議会総会が、主題『いのちの神よ、私たちを正義と平和へ導いてください』とし、加盟教会345教会、およそ100ヶ国が集まって開かれたが、「声明」案である『非核世界実現に向けて』は中央委員会で審議継続となった。 1月6日、NHKで新島襄の妻である新島八重の生涯を描いた大河ドラマ『八重の桜』の放映が始まる。 3月11日、日本基督教団が「福島第一原子力発電所事故3年目を迎えるに際しての議長声明」を発表し、それに対して台湾基督長老教会より「日本基督教団議長声明に対する台湾基督長老教会の応答」が発表される。 3月15日、日本が「環太平洋経済連携協定(TPP)」への交渉参加を正式に表明。 5月29日、「宗教者9条の和」がキリスト教と他の諸宗教者約50人によって憲法96条の改定に反対し、憲法9条を守るための集会を開き、共同声明を発表。 7月12日、東京都の元養護学校教員が最高裁判所における日の丸・君が代停職処分訴訟裁判で勝利する。 8月5日、沖縄県で米軍ヘリコプターが墜落事故を起こす。 10月16日、台風26号による豪雨のため伊豆大島で大規模な土石流が発生し、死者・行方不明者は合わせて39人となる。 12月6日、国会で「特定秘密保護法」が成立し、キリスト者を含む多くの諸団体が反対する。 12月26日、安倍晋三首相が靖国神社に参拝し、国の内外で批判の声が上がる。 12月27日、沖縄県知事が米軍普天間飛行場を移設するための名護市辺野古埋め立てを承認、それに対する多くの反対意見が現れる。 東日本大震災3年目のこの年、東京でのオリンピック開催が決定される一方で、福島第1原発放射能事故に関連する汚染水漏れが問題となり、明暗が浮き彫りになった年でもあった。 |
2014年 |
「世界教会協議会」(WCC)総幹事がローマ教皇と会見する。 ローマ・カトリック教会が児童虐待を行った聖職者848人の資格を剥奪。 ドイツの神学者ヴォルフハルト・パネンベルク没(9月5日)。 「イスラーム国」(ISIS:シリアのイスラーム教スンニ派過激派組織)が勢力を強めて拡大、奴隷制の強要を認める。8月にはアメリカがイラク北部に空爆を開始。 エジプトのカイロ南方で紀元6、7世紀に描かれた世界最古となるイエスの画像が発見される。 西アフリカを中心に「エボラ出血熱」が猛威をふるい、「世界保健機関(WHO)」が緊急事態宣言を発表、死者は全世界で7500人以上に達する(2015年1月現在)。 パキスタンで女性の教育権を求めたマララ・ユスフザイさん(17)にノーベル平和賞が授与される。 フィリピンにて世界最大の仏教慈善団体「仏教慈済慈善事業基金会」が2013年11月の巨大台風により被災したカトリック教会再建を支援する。 中国の香港で民主化デモ行われる。 韓国で旅客船セウォル号が沈没、高校生ら295人が死亡、9人が行方不明となる。 韓国のソウルにて日本人牧師が従軍慰安婦被害者に対する謝罪の祈りを行う。 「第10回世界教会協議会」釜山総会の提案により北朝鮮の教会で朝鮮半島の平和と再統一のための祈りが献げられる。 3月11日から4日間にかけて日本基督教団は『原子力安全神話に抗して ‐フクシマからの問いかけ‐』と題して「東日本大震災国際会議」を開催。 7月1日、日本政府が「集団的自衛権行使容認」を閣議決定。 7月7日、「世界教会協議会」中央委員会が日本政府による「日本国憲法第9条」の変更や再解釈に懸念を示す。 8月4日、「世界教会協議会」議長が総幹事代理として来日し、首相官邸を訪れる。 8月5日、朝日新聞が慰安婦報道の一部を撤回し、9月に謝罪を行う。 8月19日から21日にかけて日本基督教団は48年ぶりに「教会中高生青年大会2014」を行う。 8月20日、広島市北部で豪雨による土砂災害が発生し、死者は74人となる。 9月27日、長野と岐阜両県境にある御嶽山が噴火し、死者は57人、行方不明者は6人となる。 10月28‐30日、「第39回日本基督教団総会」が「伝道する教団の建設 ‐信仰の一致に基づく伝道の推進‐」を主題として開かれる。この総会で「教区活動連帯金」「伝道資金」関連議案について審議がなされ、「教区活動連帯金」が廃止、「伝道交付金についての修正案」が可決された。 12月10日、「特定秘密保護法」が施行される。 12月14日、衆議院選挙が行われ、自民党が290議席を獲得して圧勝する。 |
2015年 |
ローマ・カトリック教会がキリシタン大名、高山右近の「福者」認定を行う。 ローマ・カトリック教会が同性愛を公言した神父の聖職資格を剥奪する。 ローマ・カトリック教会がユダヤ教との関係を神学的に考察する文書を発表する。 フランスの首都パリでイスラーム過激派組織「イスラーム国」による連続襲撃事件が発生し、130人が死亡、世界を揺るがす。同時にシリア等からの難民急増問題が発生する。 フランスで国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)が行われ、「パリ協定」が採択される。 カナダ合同教会、アメリカ合同キリスト教会において『完全相互聖餐(フルコミュニオン)』が認められる。 アメリカ連邦最高裁判所が同性婚について「全米州で合憲」とする判決を下す。 トルコで「イスラーム国」の指令による自爆テロが発生し、約100人が死亡。 米軍によるアフガニスタン攻撃で『国境なき医師団』病院が空爆され、患者やスタッフ計16人が死亡。 エジプトのミイラマスクから現存するものとしては最古の可能性があるマルコによる福音書のパピルス断片が発見される。 ネパール中部で大地震が発生、死者およそ9000人となる。 中国政府がバチカン任命の司教を10年経て承認する。 中国政府がキリスト教会弾圧を本格化する。 北朝鮮が韓国系カナダ人牧師を終身刑に処する。 国連が核兵器廃絶決議案を166カ国の賛成で採択する。 1月24日、「イスラーム国」が日本人男性2人を人質にとり、後に、2人を殺害した映像を公開する。 6月9日、日本基督教団による「再結成第1回全国信徒大会」が東京の富士見町教会で65年ぶりに行われ、212人が参加する。 8月5日、広島で「平和のための祈りの集い」が行われ、WCC訪問団等らが参加する。 8月14日、安倍首相が戦後70年談話を発表する。 9月9〜11日、関東及び東北で台風による豪雨が発生、茨城県、栃木県、宮城県で8人が死亡、茨城県常総市では40平方キロ・メートルにわたって浸水する。 9月19日、「安全保障関連法」が国会参議院で可決、成立する(※なお「安全保障関連法」可決を前後して、様々な集会やデモが国会周辺で行われ、この法案に反対するキリスト者や宗教者による集会やデモも行われた。また、この頃、戦後70年にあたって、キリスト教会の戦争責任を悔い改め、主による平和を求める祈りや声明、宣言等が日本の様々なキリスト教会から発表された)。 10月5日、「共通番号(マイナンバー)制度関連法」施行される。 同日、 アメリカにて「環太平洋経済連携協定(TPP)」について日本を含む12か国閣僚会合が行われ、交渉が大筋合意に達する。 10月下旬 沖縄県辺野古への米軍基地移設を巡り、政府と沖縄県との対立が激しくなる。 11月18‐21日、「第3回『マイノリティ問題と宣教』国際会議」(主催:在日大韓基督教会、共催:NCC、日本基督教団等)が「ヘイトスピーチをのりこえ、共生の天幕をひろげよう!」を主題として東京の在日本韓国YMCAで行われる。 12月9日、同志社大学良心学研究センター公開シンポジウム「シリア内戦、難民の奔流、そしてパリ同時多発テロ」が同志社大学神学館礼拝堂にて行われる。 |
2016年 |
ローマ教皇がロシア正教会のキリル総主教と会談する。 ローマ教皇が世界の子供たちの質問に答えた本を出版する。 ローマ教皇が福者マザー・テレサを聖人に列聖する。 イギリスで国民投票によりEU(欧州連合)からの離脱問題が起こる。 イタリアで同性カップル法成立する。 ノーベル文学賞にアメリカのフォーク・ロック歌手ボブ・ディランが選ばれる。 ギリシアのクレタ島でロシア正教会等四教会が欠席した形で「全正教会会議」行われる。 アメリカで男性同性愛者が集まるナイトクラブが「イスラーム国」により襲撃される無差別銃乱射事件が起こり、約50人が死亡 アメリカで第46代大統領にドナルド・トランプ氏が選ばれる。 ネパールが新憲法の中にある宗教から他の宗教への改宗に繋がる行為を禁止する条項を盛り込む。 ミャンマーで国民民主連盟による新政権が発足する。 北朝鮮が初の「水爆実験」を行う。 韓国で朴槿恵大統領が友人による国政介入事件により職務停止及び退陣を表明する。 2月29日、3月1日、「東日本大震災国際神学シンポジウム」(災害救援キリスト者連絡会、聖学院大学、東京基督教大学、フラー神学大学院)が「キリストさんと呼ばれて−この時代、この地でキリスト者であること」をテーマとしてお茶の水クリスチャンセンターにて開催される。 3月29日、「安全保障関連法案」が施行される。 4月14、16日、熊本県で震度7を記録した「熊本地震」が発生、160人以上が死亡、各教派・キリスト教関係団体による支援活動がなされる。 5月27日、アメリカのオバマ大統領が現職のアメリカ大統領として初めて原爆による被曝地である広島市を訪問する。 5月31日、「君が代」斉唱の際に不起立の態度を取った東京都公立学校の元教員の河原井氏及び根津氏の停職処分を取消す判決が最高裁判所にて下される。 同日、300人を超える宗教者・信者による「『戦争法』廃止・憲法改悪阻止をめざす宗教者・信者全国集会 『殺さない 殺させない』―今こそ、宗教者・信者として―」が東京の築地本願寺で開催される。 6月19日、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられる「改正公職選挙法」が施行される。 7月11日、 沖縄防衛局により沖縄高江ヘリパッド工事が再開され、それに対する反対運動が激化、10月には機動隊員による「土人」「支那人」等の差別的な発言もなされる。 7月26日、神奈川県相模原市にある障害者福祉施設で「相模原障害者施設殺傷事件」が発生し、19人が死亡、キリスト教各界を含む福祉関係者等から声明やコメントが発表される(※第二次世界大戦後、日本で発生した殺人事件としては犠牲者の数が最も多いとされる)。 7月31日、東京都知事に女性初の都知事である小池百合子氏が当選する。 10月10日、青森県弘前市にて学校法人弘前学院が創立130周年記念式典を行い、約1300人が出席する。 10月25‐37日、「第40回日本基督教団総会」が「伝道する教団の建設 ‐十字架の贖いを土台として‐」を主題として開かれる。この総会で「公同教会」、「改訂宣教基礎理論」、「沖縄宣教連帯金関連議案」「常議員選挙方法」等について論議がなされ、また東日本大震災救援対策本部報告及び熊本・大分地震関連報告がなされ、部落差別問題を扱った「解放劇」が上演され、「狭山事件即時再審開始案」が可決される。 11月15日、日本政府が自衛隊部隊の「駆け付け警護」の任務が付与された「南スーダン国際平和協力業務実施計画の変更」を閣議決定し、これに対してキリスト教界を含む諸団体より反対声明がなされる。 12月13日、沖縄で米軍オスプレイが名護市海岸に不時着して大破する事故が発生する。 |
2017年 |
ローマ教皇が「貧しい人たちの日(6月13日)」をカトリック教会の記念日として制定する。 ローマ教皇が国際宇宙ステーションの宇宙飛行士たち6人とビデオ中継で交信する。 ローマ教皇が長崎県の被爆者らと面会し、「核保有」を批判する。 バチカンのシノドスホールで「核兵器の無い世界と統合的な軍縮に向けての展望」をテーマとした国際シンポジウムが2日間の日程で開催される。 ドイツで同性婚を合法化する法案を可決する。 イギリスでサッカー選手であったフィリップ・マルリン氏が修道会ドミニコ会の司祭となる。 英国国教会でロンドン大主教に初の女性主教が就任する。 イギリスで国内の宗教についての調査が行われ、無宗教者が全体の過半数に上る割合となったとの調査結果が報告される。 スペインのバルセロナで過激派組織「イスラーム国」によるテロが発生し、13人が死亡、約110人が負傷。 ノルウェー・ノーベル委員会が平和賞を国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)に授与すると発表。 ロシアの裁判所がキリスト教会内で「ポケモンGO」をした男性に対し、宗教的嫌悪を誘発したとして執行猶予付き禁錮3年半の有罪判決を言い渡す。 ドナルド・トランプ氏が第45代アメリカ大統領に就任し、全米各地で大規模な抗議デモが行われる。 トランプ大統領が地球温暖化対策の国際枠組「パリ協定」から離脱することを表明。 アメリカのラスベガスで男が野外コンサート会場に向け銃を乱射し、58人が死亡、400人以上が負傷(※アメリカで起きた銃乱射事件としては犯罪史上の死者数)。 アメリカとイスラエルが「国連教育科学文化機関」(ユネスコ)を脱退すると発表。 アメリカのテキサス州にあるサザーランドスプリングスの「ファースト・バプテスト教会」で日曜礼拝中に男が銃を乱射、少なくとも27人が死亡、24人以上が負傷。 アメリカの首都ワシントンの中心部で「聖書博物館」が開館される。 トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの「首都」であると宣言し、中東諸国を中心にイスラーム教徒による反発があり、抗議デモが行われる。 宗教改革500年記念年の終了に際し、「ルーテル世界連盟」(LWF)と「教皇庁キリスト教一致推進評議会」が「共同声明」を発表し、エキュメニカルな歩みを深く認める。 「世界教会協議会」、「アクト・アライアンス」、「LWF」が地球温暖化を懸念し、気候正義の行動のために、合わせて全世界5億人を超えるキリスト者を代表しての「共同呼び掛け」を行う。 「世界教会協議会」が南アメリカで「ダッチ・リフォームド教会」(オランダ改革派教会:DRC)と57年ぶりに初めて会談を行う。 香港を拠点とする宣教団体「ノアズ・アーク・ミニストリーズ・インターナショナル」 (NAMI)の捜索グループがトルコのアララト山の海抜約4000メートルの場所でノアの方舟の残骸を発見したと発表する。 イラク政府軍が「イスラーム国」の重要拠点、北部モスルの奪還を宣言し、アメリカ軍が支援するシリア民主軍により「イスラーム国」が「首都」とした北部ラッカが完全に制圧される。 パレスチナのマフムード・アッバス議長が「世界教会協議会」のオラフ・フィクセ=トゥベイト総幹事と会談する。 イスラエルの国立へブライ大学がクムラン西部の岸壁で「死海文書」が保存されていたとみられる12番目の洞窟を発見する。 イギリス、レディング大学の調査チームによりイスラエル北部のナザレでイエスがマリアやヨセフと共に暮らした家が特定されたと発表される。 イスラエルの考古学者が北部ガリラヤ湖近くで発掘調査を行っている同国と米国の考古学者チームにより使徒ペテロらイエスの弟子3人の生まれ育った町が発見された可能性があると発表する。 エルサレム旧市街のイエスの墓の上に建てられたとされる聖墳墓教会の下にある墓所がローマ皇帝コンスタンティヌス時代のものであることが科学的に特定される。 ネパールで改宗や宗教感情を害する行為などを禁じる「改宗禁止法」が成立する。 ミャンマーでイスラーム教徒の武装集団による警察施設の襲撃事件が発端となって、武装集団が軍や政府と衝突し、400人が死亡。 北朝鮮が「大陸間弾道ミサイル」(ICBM)の「火星14」を初めて発射、日本上空を横断、さらに11月29日には「火星15」を発射し、国連が北朝鮮に制裁を与えるとの声明を発表。 韓国で韓国プロテスタント保守派が「従北」(北朝鮮盲従)戦略から「反同性愛」を旗印に政治勢力化を進める。 国連で「核兵器禁止条約」(核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関する条約)が採択される。 1月21日、日本で遠藤周作原作による映画『沈黙』(マーティン・スコッセッシ監督)が上映され、話題となる。 3月28日‐31日、「日本基督教団国際青年会議in京都」が「エネルギー持続可能社会の実現を目指して」をテーマとして行われ、127名が参加。 3月31日を以って、日本基督教団救援対策本部が終了、被災教区へ救援事業が引き継がれる。 5月、NCC教育部が日本キリスト教会館内に「平和教育資料センター」を開設する。 6月5日、JR東京駅構内丸の内方面にイスラーム教の礼拝所が作られる。 6月6日、茨城県の「日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター」で核物質の粉末により、職員ら5人が内部被曝する。 6月9日、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が参議院本会議で可決され、成立する。 6月15日、「テロ等準備罪創設を柱とした改正組織犯罪処罰法」(共謀罪法)が参議院本会議で可決され、成立。これに対して日本基督教団を含むキリスト教諸教派団体が反対・抗議の声明を発表する。 6月22日、日本基督教団による「宗教改革500周年記念礼拝」が同教団富士見町教会で開催され、511人が出席する。 7月5日、九州北部での豪雨により福岡県及び大分県で37人が死亡、4人が行方不明者となる。 8月3日‐4日、「世界宗教者平和の祈りの集い」が国立京都国際会館で行われ、海外の宗教者を含めて計2000人が参加し、平和の実現を目指して宗教、宗派を超えて対話等が行われる。 10月22日、第48回衆議院選挙が行われ、自民党は追加公認を含めて284議席を獲得し、圧勝する。 10月31日、神奈川県座間市のアパートから計9人の遺体が発見され、アパートの住人が死体遺棄容疑で逮捕される。 12月7日、沖縄県宜野湾市で保育園の屋根からアメリカ軍大型ヘリコプターの部品が見つかり、さらに同月13日、普天間市の小学校グラウンドに同ヘリコプターから1メートル四方の窓枠が落下する事故が発生、小学生が負傷する。 12月13日、四国電力伊方原子力発電所3号機に対して広島高等裁判所が運転差し止めの決定を行う。 |
2018年 |
バチカン代表団が韓国の平昌で開催された第23回冬季五輪大会の開会式に参加する。 ローマ教皇が世界の石油大手関係者に対して気候変動により世界の人類文明が消滅する危険について警告を発する。 ローマ教皇がカトリック教会の聖職者や修道者による未成年者への性的虐待についてカトリック全教会に回心と祈りを呼びかける書簡を発表。 ローマ教皇が第262代教皇故パウロ6世と1980年に中米エルサルバドルで教会の祭壇で射殺されたオスカル・ロメロ大司教の列聖式を執り行う。 フランスのパリにある「サンフランソワ・ド・モリトール教会」でデビットカードやクレジットカードで献金が出来るようにシステムが作られる。 フランス全土で数十万人規模による燃料税増税とマクロン政権に対する抗議デモ活動が行われ、パリでは暴動に至る。 オランダの教会が国外退去を迫られているアルメニア難民の強制送還を阻んで、800時間以上に渡って礼拝を行う。 ロシア正教会が「コンスタンチノープル総主教庁」と断絶する。 ウクライナ正教会が統一し、ロシア正教会から独立する。 アメリカの大衆伝道者ビリー・グラハム没。 アメリカ南部フロリダ州の「マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校」で男が銃を乱射し、生徒ら17人が殺害される。これをきっかけにして銃の規制を強化するよう訴えるデモがアメリカ各地で行われ、数十万人が参加。 アメリカで「黒人解放の神学」を提唱したジェームス・ハル・コーン没。 アメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が史上初の米朝首脳会談を行い、双方が署名した共同声明を発表する。 中米各地からアメリカを目指して北上中の「キャラバン」と呼ばれる移民集団による移動が相次ぐ。 アメリカペンシルベニア州ピッツバーグのシナゴーグ(ユダヤ教会堂)で男が銃を乱射し11人が死亡、警官4人を含む6人が負傷。 「世界教会協議会」がオランダで創設70周年記念式典を行う。 中国北京で最大規模のプロテスタントの無認可の教会(地下教会)が民政局により閉鎖される。 2月20日、米軍戦闘機の燃料タンクが小川原湖(青森県東北町)に投棄され、一時、禁漁となる。 3月、学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書改ざん問題が発生する。 3月21日、「宗教改革500周年教会青年大会」(日本基督教団宗教改革500周年記念教会青年大会実行委員会主催)が青山学院大学ガウチャーホールで開催され、教団内外から1000人を超える若者が参加する。 6月11日、「袴田事件」で死刑が確定し、再審開始が決まっていた袴田巌元被告の再審開始が取り消される。 6月18日、最大震度6弱を記録した「大阪府北部地震」が発生し、6人が死亡。 6月28日‐7月8日、「平成30年7月豪雨」により西日本を中心として各地で224人が死亡。 6月30日、「ユネスコ第42回世界遺産委員会」により「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎県、熊本県)の世界遺産への登録が決定される。 7月6日、オウム真理教の元代表である松本智津夫死刑囚と元幹部の死刑囚7人に刑が執行される。 9月4日、「台風21号」により、日本各地で14人が死亡。 9月6日、最大震度7を記録した「北海道胆振東部地震」が発生し、41人が死亡。 10月6日、日本基督教団教師による教誨師をモデルにしたと思われる『教誨師』(佐向大監督)が公開される。 10月16日、東京電力福島第一原発放射能事故をめぐる東電の旧経営陣に対する裁判の被告人質問が開始される。 10月23‐25日、「第41回日本基督教団総会」が「伝道する教団の建設 ‐伝道の命と力の回復」を主題として開かれ、「ミナハサ福音キリスト教会(GMIM)とその宣教協約に関する件」が可決され、2018年に日本各地で発生した自然災害被災に対する支援について報告がなされる。 12月3日、『聖書協会共同訳聖書』が出版される。 12月6日、岩国基地所属の米軍戦闘機と空中給油機が高知県の沖合で衝突し、共に墜落する。 12月14日、日本政府が沖縄県名護市辺野古沿岸に米軍基地を建設するため埋め立てに必要な土砂の投入を開始し、キリスト教関係団体を含む様々な団体がこれに反対する声明を発表、署名活動を行う。 12月20日、「韓国海軍レーダー照射事件」(日本の海上自衛隊の哨戒機が能登半島沖〈日本の排他的経済水域内〉で韓国海軍の駆逐艦から火器管制レーダーの照射を受け、日本と韓国の両国で意見の食い違いが生まれ、論争になった事件)が発生する。 |
2019年 |
ローマ教皇が、カトリック教会の聖職者による修道女に対する性的な虐待行為について公に認める発言を行う。 ローマ教皇が、アラブ首長国連邦とモロッコを訪問し、アラブ首長国連邦では「諸宗教の集い」等に出席する。 バチカンで性的虐待の問題に取組むための「未成年者の保護」をテーマにした司教会合が行われる。 ローマ教皇が、虐待や暴力を届け出るための新しい手続きを定めた使徒的書簡「ヴォス・エスティス・ルクス・ムンディ」を発表する。 フランスでカトリック教会の聖職者による性的虐待を隠蔽したとして枢機卿である大司教に有罪判決が言い渡される。 フランス、パリの「ノートルダム大聖堂」(カトリック教会パリ大司教座聖堂:世界遺産)で大規模な火災が発生、尖塔が崩壊する。 フランスで、カトリック思想家で、『ラルシュ』創設者のジャン・バニエ氏没(90歳)。 英国国教会が英国の全教会に対して日曜日の朝夕に礼拝を行うよう義務付けていた17世紀以来の規定を正式に撤廃する。 英国国教会に初の黒人女性主教が就任する。 アメリカの宣教団体「ジュダ1」が世界各地に臨時便を飛ばす世界初の「キリスト教航空会社」となる。 アメリカ、テキサス州のカトリック教会が州内の聖職者ら286人が幼児への性的虐待に関与していた疑いがあるとの報告を公表する。 アメリカ、カリフォルニア州で「シナゴーグ」(ユダヤ教の会堂)が銃撃され、1人が死亡、3人が負傷する。 アメリカ、テキサス州のプロテスタント教会が日曜日の礼拝中に銃撃され、容疑者の男性を含む3人が死亡する。 チリ、日本、エクアドル、中国、コスタリカ出身の若手修道女たちのロックバンド「シエルバス」が人気を呼ぶ。 「世界教会協議会」総幹事がモスクワのロシア正教会総主教庁を訪問し、総主教キリルと会談する。 西アフリカのブルキナファソでプロテスタント教会とカトリック教会が、それぞれ襲撃され、計12人が殺害される。 スリランカの教会やホテルで「イスラーム国」による爆破事件が発生し、日本人1人を含む計257人が殺害され、560人以上が負傷する。 フィリピン南部ミンダナオ地方ホロ島のカトリック教会で「イスラーム国」による爆破事件が発生し、19人以上が殺害される。 中国で政府公認教会の聖職者に非公認の「地下教会」(バチカンに忠誠を誓う司教らが主宰する教会)の主教が昇格する。 中国の大学で学生2人がカトリック教徒であることを理由に、優秀な成績であることの名誉称号を剥奪される。 香港で100万人規模の大規模なデモが行われる。 台湾でアジア初の同性婚法が成立する。 韓国ソウル近郊の提岩里で、『三・一運動殉国記念館』に日韓親善宣教協力会所属のキリスト者17人が訪れ、百年前に起こった「提岩里虐殺事件」に合わせ、謝罪を行う。 2月24日、沖縄県の辺野古米軍新基地建設埋立てについて賛否を問う県民投票が行われ埋立てへの反対票が七割を超える。 4月30日、平成天皇が退位する。 5月1日、令和天皇が即位する。 6月28日、国のハンセン病隔離政策によってハンセン病患者の家族が犠牲になったことについて国に責任のあることが認められる。 7月18日、アニメ制作会社「京都アニメーション」の第一スタジオが放火され、36人が殺害される。 9月5日、大型の「台風15号」が日本に上陸し、10月12日に上陸した大型の「台風19号」と共に東日本各地に甚大な被害をもたらす。 9月19日、東京電力福島第一原子力発電所放射能爆発事故を巡っての裁判で旧経営陣3人に無罪判決がなされる。 10月22日、「天皇即位の礼」が行われ、11月14、15日には「大嘗祭」も行われ、これらについてキリスト教諸団体が抗議を行う。 11月6日、青森県三沢米軍基地に配備されている米軍戦闘機が訓練中、演習用の爆弾を同県六ヶ所村に落下させ、これについて謝罪がなされる。 11月23〜26日、ローマ教皇が訪日、長崎等を訪れ、メッセージを語る。 12月4日、アフガニスタンで農業用水路建設等を行ってきた医師でキリスト者の中村哲氏が現地にて銃撃され殺害される。 |
2020年 |
バチカンが、「聖職者による未成年者虐待ケースへの対応における手続き上のポイントについての要覧」と題された文書を発表する。 バチカンが、生命倫理をめぐる書簡「サマリタヌス・ボヌス」を発表し、安楽死を「決して正当化できない殺人行為」として強く非難する。 イギリスが、欧州連合(EU)から離脱する。 イギリスで、警察によってロンドンにあるバプテスト派の教会の洗礼式が「新型コロナウイルス(COVID-19)」規制を理由に中止させられたことにより、イギリスのカトリック司教等から、教派を超えた批判がなされる。 アメリカ、カナダで、キリスト教の一派である「アーミッシュ」が性的虐待を行なってきたことが明らかにされる。 アメリカで、黒人男性が白人警察官に暴行され、死亡した事件をきっかけに全米で抗議デモが行われ、9,300人(6月3日の時点)が逮捕される。 アメリカ「米国長老教会」がオンライン総会で、ネイティブ・アメリカン(先住民)の女性と黒人の男性牧師を共同議長に選出する(アメリカで先住民出身者初の共同議長)。 アメリカで、ジョー・バイデン氏が第47代大統領として選ばれる。 オーストラリアで、2019年9月より猛威を振るっている森林火災で、2月までに少なくとも1,000万ヘクタールが焼失し、33人が亡くなり、多くの動物が犠牲になる。2月に完全鎮火、オーストラリアのカトリック教会もこれに対する取組みを行なった。 トルコで、レジェプ・タイップ・エルドアン大統領が世界遺産であるアヤ・ソフィアをイスラーム教のモスクに戻して拝礼の場とする大統領令に署名する。 中国で、香港での反体制活動を取り締まる「国家安全維持法(国安法)」が可決され、法律が施行される。 韓国で、「新型コロナウイルス」流行の中心となった新興宗教団体「新天地イエス教会」の教祖が感染を拡大させたことについて謝罪する。 「世界教会協議会」が加盟教会とエキュメニカル・パートナー(協力組織)へ「命を守るために出来ることは何でもする」ことを最優先するよう書簡で促す。 「世界保健機関(WHO)」が、「新型コロナウイルス」の「パンデミック」を宣言する。このウイルスは2019年末に中国湖北省武漢市で最初に確認され、その後、中国全土、さらに世界全体に感染が拡大した。(日本では1月15日に初の新型コロナウイルス感染者が確認された)このウイルスに対しては各地で個人レベルでの感染防止策の他に、都市封鎖、出入国禁止、県外移動の自粛、出勤、登校や外出の自粛、営業時間の短縮、集会の中止等の対策も行われたが、さらにそこから経営困難や倒産、失業、自死、コロナ感染者差別、外国人差別、自粛警察結成、家庭の不和、虐待等も発生、感染者を治療する医療機関の逼迫にも至る。キリスト教会でも礼拝や集会等の一時中止や時間短縮、インターネット中継や動画等を介しての礼拝が行われる。(2021年1月現在、このウイルスに対するワクチンが世界各地で処方され始めており、全世界での感染者累計数は一億人を超えている) 国連が、宗教指導者らに新型コロナウイルスの感染拡大防止の取り組みを訴える。 ノーベル平和賞に世界で飢餓に苦しむ人々を支援した「国際連合世界食糧計画(WFP)」が選ばれる。 3月13日、国会で制定された「新型インフルエンザ等対策特別措置法」改正に先だち「『信教の自由』を侵害する新型コロナウイルス対策のための特措法改正に反対する宗教者緊急声明」(「NCC東アジアの和解と平和委員会」と「平和を実現する宗教者ネット」が中心となって作成)が出される。 3月25日、東京高等裁判所で「君が代訴訟」処分取り消し判決がなされる。 4月7日、国が東京等7都府県を対象に「緊急事態宣言」を発令する。 6月30日、「旧優生保護法」の下で不妊手術を強制されたある男性が国家賠償を求めた訴訟で東京地方裁判所が、憲法違反であるとする判決を行う。 7月3〜8日、記録的な豪雨により九州の多くの河川が氾濫、大水害が発生し、77人が死亡、2人が行方不明。 7月29日、「六ヶ所村核燃再処理工場」が審査に正式合格したが、六ヶ所村住民を中心とする様々な人々による再稼働反対運動、反対意見が出される。 9月14日、自民党総裁選挙で菅義偉氏が選出され、第99代首相に指名される。 10月1日、日本学術会議が推薦した新会員候補105人のうち、菅首相が6人を任命しなかったことが明らかになり、これにより学会や学者たちを中心に様々な団体からこれに反対する意見が出され、署名運動がなされる。 12月10日、防衛省による沖縄辺野古新基地建設のために沖縄での戦没者の遺骨が混じった土砂を使うという行為に反対する「宗教者共同声明」(「平和をつくり出す宗教者ネット」)が出される。 |
2021年 |
ローマ教皇が教会法を改正し、児童への性的虐待を行なった聖職者を処罰する。 フランスのカトリック司教協議会は過去70年に起きた21万6千人の児童に対する虐待について教会側の組織的責任を認め、教会統治の刷新を図った。 ドイツのプロテスタント神学者エーバーハルト・ユンゲル没 スイスのカトリック神学者ハンス・キュンク没 イギリスのメソジスト教会が同性婚を容認する。 イギリスで「国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議」(COP26)が開かれ「グラスゴー合意」を採択する。 ジョー・バイデン氏が第46代アメリカ大統領に就任する。 アメリカの福音ルーテル教会が牧師を初のトランスジェンダー監督に選出する。 アメリカがロシアを「信教の自由侵害」国に指定する。 カナダで政府の先住民同化政策による先住民寄宿舎学校跡地から子供215人の遺骨が発見される。 イスラエルで「死海文書」の十二小預言書を含む新たな断片が発見される。 ミャンマーで国軍によるクーデター起こる。 中国の幼稚園や小中学校でクリスマスを祝うイベントが禁止される。 新型コロナウイルスの全世界での感染者累計数が二億人を超え、日本でも新たな変異株である「デルタ株」が発見されたが、2月17日よりワクチン接種が始まった。さらに11月には「オミクロン株」も発見され、沖縄県の米軍基地を始めとして基地内でのコロナ感染とそれによる影響も懸念された。 3月6日、スリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが名古屋出入国在留管理局収容中に病気で亡くなったが、ウィシュマさんへの治療等、対応の問題が明らかとなり、批判がなされ、再発防止のための改善策が作成されるに至った。 3月11日、この日及びこの日を前後して、日本基督教団を含むキリスト教会・教派で「東日本大震災」10年を記念しての礼拝が行われる。 4月13日、政府が東京電力福島第一原子力発電所の処理水を海洋放出する方針を発表し、キリスト教諸団体がこれに反対する声明を発表する。 7月3日、熱海で土石流が発生し、26人が死亡 7月23日〜8月8日、第32回夏季五輪(オリンピック)東京大会が開かれ、205か国・地域と難民選手団(日本からは583人が参加、金27個を含む計58個のメダルを獲得)が参加した。またコロナ対策のため原則として無観客で開催されたが、開催前までに開会式の音楽担当者が「障害者差別発言」で辞任する等、混乱が続いた。 8月13日、小笠原諸島福徳岡ノ場の海底火山噴火による軽石が日本各地に流れ着き、特に沖縄周辺で様々な被害が発生、行政、地元だけでなく、ボランティアの支援によって軽石が除去される。 9月29日、自民党総裁選挙で岸田文雄氏が選出され、第100代首相に指名される。 10月26日、日本キリスト教文化協会が「キリスト教功労者」として柏木哲夫氏(淀川キリスト教病院名誉ホスピス長)を顕彰する。 11月30日、米軍三沢基地F16戦闘機が2個の燃料タンクを青森県深浦町に投棄し、抗議の声が上がる。 12月27日、大阪市北区の雑居ビル内で放火事件が発生、26人が死亡。 |
2022年 |
ローマ教皇がロシアによるウクライナ軍事侵攻に対してウクライナの状況を覚え、平和を訴え祈る。 ローマ教皇がカナダの先住民同化政策による苦しみを覚え祈り、その許しを乞うための訪問を行う。 世界教会協議会代表団がウクライナを訪問する。 ドイツのミュンスターで1945年から七十五年間に610人の子供がカトリック教会聖職者たちによる性的虐待を受けていたこと明らかになる。 ドイツのカールスルーエにて第11回世界教会協議会総会が『キリストの愛が世界を和解と一致に導く』を主題として行われ、気候危機、コロナ禍、ウクライナ軍事侵攻等に触れた報告が行なわれる。 イギリスのエリザベス女王没(96歳:存命であった君主として世界最高齢) 英国国教会による調査で同教会の聖職者らによる虐待報告がなされ、カンタベリー大主教が謝罪する。 ロシアのプーチン大統領が「特別軍事作戦」と称してウクライナに軍事侵攻し、これに伴い両国で民間人を含む多数の死傷者、避難民が出るに至った。また国際政治、世界経済に甚大な影響を及ぼし、未だ戦闘終結には至っていない(2023年1月)。これに対して世界各国で救援募金及び避難者支援等が行われる。 アメリカの最高裁判所が人工妊娠中絶を「憲法上の権利」と認めない判断を下す。 アメリカで同性婚の権利を守る「結婚尊重法案」が成立する。 中国で、インターネット上の宗教活動が大幅に制限され、許可された団体以外のネット上での布教や礼拝、寄付を募る行為が禁止される 韓国のソウルで雑踏事故が発生、158人が死亡。 2月7日、インターネットZOOMで「第7回東日本大震災国際神学シンポジウム」が「いかにしてもう一度立ち上がるかーこれからの100年を見据えてー」をテーマとして行われ、イギリスの神学者アリスター・マクグラスらが講演を行い、ディスカッションがなされる。 ロシアによるウクライナ軍事侵攻に対して日本のキリスト教会及び関係団体からこれに対する反体声明・抗議声明が出され、同時に救援募金及び避難者支援を行う。 4月23日、北海道知床半島沖合で観光船が沈没、20人が死亡、6人が行方不明となる。 7月8日、安倍晋三元首相が奈良市にて参議院選挙運動中の街頭演説を行っている際に銃撃され、死亡。10月に日本武道館にて国葬が営まれたが、国葬を巡っては賛否両論が生まれ、反対運動も行われた。またこの事件をきっかけにして旧統一協会による献金、政治家との関係が問題となり、12月10日には「高額寄付被害救済・防止法」が成立した。 9月27日〜29日、「第42回日本基督教団総会」が「礼拝から愛のわざへ−試練の中での日本伝道の推進」を主題として四年振りに対面総会の形で開かれた。総会の中で教団の伝道拠点を小規模教会に置くことが語られ、「信徒の友」による伝道推進運動を行うべきであること、沖縄教区との関係の回復(沖縄の教会の痛みを感じること、沖縄の神学について)等の報告がなされる。 |
(※)〈※〉は筆者による挿入説明
〈参考文献〉
・木田献一、和田幹男著「旧約時代年表」(『新共同訳旧約聖書略解』所載)(日本基督教団出版局)
・橋本滋男著「新約時代年表」(『新共同訳新約聖書略解』所載)(日本基督教団出版局)
・茂泉昭男・倉松 功・小笠原正敏 著『教会史 上・中・下』(日本基督教団出版局)
・藤代泰三著『キリスト教史』(日本YMCA同盟出版局)
・斉藤正彦著『キリスト教の歴史』(新教出版社)
・曽根暁彦著『アメリカ教会史』(日本基督教団出版局)
・呉利明・土肥昭夫他共著『アジア・キリスト教史〔1〕−中国・台湾・韓国・日本−』(教文館)
・森本あんり著『アメリカ・キリスト教史』(新教出版社)
・T.V.シトイ他共著、原誠他訳『アジア・キリスト教史〔2〕−フィリピン・インドネシア・タイ・ビルマ−』(教文館)
・土肥昭夫著『日本プロテスタント・キリスト教史』(新教出版社)
・土肥昭夫著『歴史の証言 日本プロテスタント・キリスト教史より』(教文館)
・土肥昭夫著『思想の杜 日本プロテスタント・キリスト教史より』(新教出版社)
・『日本キリスト教史年表〔改訂版〕』(教文館)
・エーバハルト・ベートゲ/レナーテ・ベートゲ著、宮田光雄・山崎和明訳『ディートリッヒ・ボンヘッファー 現代キリスト教
の源泉1』(新教出版社)
・カール・クーピッシュ著、宮田光雄・村松恵二訳『カール・バルト 現代キリスト教の源泉2』(新教出版社)
・エーバーハルト・ブッシュ著、小川圭治訳『カール・バルトの生涯 1886−1968』(新教出版社)
・笠井恵二著『ブルトマン 人と思想46』(清水書院)
・大島末男著『ティリッヒ 人と思想135』(清水書院)
・ヴィルヘルム&マリオン・パウク共著、田丸徳善訳『パウル・ティリッヒ 1生涯』(ヨルダン社)
・パウル・ティリッヒ著、茂 洋訳『永遠の今』(新教出版社)
・石井裕二著『キリスト教の神思想とアニミズム −Nathan Söderblom,“Das
Werden des Gottesglaubens”の意味するもの
−』(同志社大学神学部 基督教研究会)
・ペーター・シュトゥールマッハー著、斎藤忠資訳『新約聖書解釈学』(日本基督教団出版局)
・大崎節郎著『神の権威と自由』(日本基督教団出版局)
・『教義学とは何か』(日本基督教団出版局)
・ホルスト・ゲオルク・ペールマン著、蓮見和男訳『現代教義学総説』(新教出版社)
・『総説 実践神学』(日本基督教団出版局)
・『総説 実践神学U』(日本基督教団出版局)
・『旧約聖書神学辞典』(教文館)
・『新約聖書神学辞典』(教文館)
・『キリスト教大事典』(教文館)
・『岩波キリスト教辞典』(岩波書店)
・『日本キリスト教歴史大事典』(教文館)
・『キリスト教人名辞典』(日本基督教団出版局)
・『現代キリスト教神学思想事典』(新教出版社)
・『キリスト教組織神学事典』(教文館)
・『キリスト教礼拝・礼拝学事典』(日本基督教団出版局)
・『日本基督教団年鑑 第57巻‐(2006年度版‐)』(日本基督教団出版局)
・『岩波哲学・思想事典』(岩波書店)
・『CD−ROM版 世界大百科事典・年鑑・便覧』(日立デジタル平凡社)
・『現代用語の基礎知識(2006‐』(自由国民社)
〈参考ウェブサイト〉
・「世界キリスト教情報」