「ディートリッヒ・ボンヘッファーの思想‐特にカール・バルトとの関連で」  

 

川上純平

改訂版 2008年5月13日

(初版 2007年8月15日)

 

〈目 次〉

第1章 ボンヘッファー神学の一貫性

第2章 バルトとボンヘッファーについて

(1)バルト神学の影響と両者の共通点

   (2)ボンヘッファーによるバルト批判

(3)両者の差異について

第3章  ボンヘッファー神学の遺産と影響

(1)ボンヘッファーと平和

(2)信仰告白と罪責告白

(3)『獄中書簡』の他の神学概念からの影響

結 論

参考文献目録

 

序 

 

ディートリッヒ・ボンヘッファーDietrich Bonhöffer:1906‐1945)は、第2次世界大戦後より今日まで世界のキリスト教会において多大な影響を与え続けているドイツのルター派教会の牧師、神学者である。

本論文は、そのボンヘッファーの思想、特に神学について述べたものである。

ボンヘッファーは、敬虔主義の影響のある家庭に生まれ、自由主義神学を学んでいたが、カール・バルトの神学に出会い、バルトの「キリスト論的集中」という方法論によりながらも、特に首尾一貫して「教会論」と「キリスト論」に強い関心を示し、バルトとは異なる神学を形成し、その生涯をかけてキリストを証ししようとしたとされる。

本論文では、ボンヘッファーの思想、特に神学について考える上で欠くことの出来ないバルト神学との関連を捉えてみた。また、さらにボンヘッファーの残した神学的遺産と影響についても言及し、今日を生きる我々がボンヘッファーから何を学び、かつ批判し、生きていくかを考えさせるものである。

ところで、昨年2006年は、このボンヘッファー生誕100周年、またカール・バルト生誕120周年であったため、世界各地の諸教会や神学関係の集まりにおいて、このことを記念しての様々な催しや出版等が相次いだ。これは改めてこの二人の神学者に出会い、学び、問いを持つ良い機会であったとも思われる。

筆者は、主に同志社大学神学部と同大学院神学研究科博士前期課程で学んだ者であるが、それ以前に東北学院大学でボンヘッファーを日本で最初に本格的に研究した森野善右衛門先生(東北学院大学文学部名誉教授、現在、日本基督教団関東教区巡回教師)の授業で、また先生が主宰なさっている「ボンヘッファー読書会」で学び、先生がお書きになった本を先生ご本人から直接購入させていただいた。

それらのこととこの拙い論文に目を通していただいたことを、この場を借りて感謝したい。これからも教会と神学界において多くの方々がボンヘッファーとバルトという二人の神学者から大いに学ばれることを望む。

 

 

 

※ちなみに、本論文は日本の敗戦記念日である2007年8月15日にインターネット上の筆者のホームページにかつて発表したものであるが、その前段階のものを2007年5月10日に同じホームページに載せてみた(偶然にも5月10日はカール・バルトの誕生日である)。これは2007年8月15日発表の論文に加筆・訂正したものである。

 

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