論文日本の会衆派教会(組合教会)の歴史 その源流と発展 

(2)アメリカン・ボードの日本伝道から現代まで」

川上純平  200911・9

 

 

結 論

 

以上、見てきたように日本の会衆派教会(組合教会)の歴史はイギリスの宗教改革を起源とする。この教派はアメリカ建国の礎となり、その地で展開され、アメリカン・ボードの宣教師たちによって日本にもたらされ、日本では組合教会として設立された。これはキリスト教の伝道が困難な日本において教育や社会的実践等をも通して伝道を行ない独自の発展を遂げつつ、アメリカン・ボードから独立することを試み、朝鮮伝道を行い、戦争の際、一部の者を別にすれば、他の教派ともにそれに賛成し、国家との関係では妥協するに至った。そこには日本に伝えられてからの歴史が浅かったためこの教派の本質に対して誤解があったこと、人間の罪深さ等も反映していることであろう。また現在、組合教会という名の教派団体は存在しないが、その伝統に連なる諸教会は他のプロテスタント教派と共に日本基督教団の教会として存在し、「会衆主義」は理念としてかつて組合教会に属していた教会に未だに存在している。

この教派の特質は、自由自治、各個教会主義であった。そもそも組合教会は等質的な均一体ではなく、その活動・発展は複雑多岐にわたるものでもあった(1)ことを忘れてはならない。

この教派について、その問題点とされている「理想を追い求め、人間の罪深さやキリストの福音を無視した単なる交わりとなりかねない」という批判は歴史の中で一部、そのようなこともあったかもしれないが、これをこの教派の問題点とするならば、それは余りにも不適切なものとして感じられる。

ところで、組合教会は個人の信仰の自由を認めて誰であろうと同労者を裁くようなことを行なってはならず、それぞれの各個教会の判断にゆだね、自己の主張に忠実であること、大教会は全体教会のために協力すること、国家の前途に関心を持つこと、現代社会の中にキリストの福音が生きて働くように行なっていくことも特質とされている。(2)もっとも日本基督教団においては信仰告白に代表されるように必ずしも全てが個人の信仰の自由に基づいているとは限らない。同志社神学部卒業生の赴任する教会が必ずしも組合教会の伝統の中にある教会とは限らず、組合教会の伝統の中にある教会が必ずしも同志社神学部卒業生を招聘するとは限らないであろうし、また同志社神学部卒業生の世代間の、また個々人の信仰や神学の差異もあるかもしれない。その意味で「同信伝道会」(同志社大学神学部卒業生や同志社神学部で学んだ方々、他の神学校を学んだ方で同信伝道会を通して教会で牧師をしている方々、組合教会の信徒の方々の会)の働きも忘れてはならない。

これからも組合教会の伝統に連なる教会は、エキュメニカルな、あるいは、他の諸宗教が存在する世界においてイエス・キリストに従いつつ、責任を持って現代社会(特に困難な中にある人々)のニーズに答え、それぞれの個性や特質を認めつつ、聖霊の助けによって新しくされ、お互いに助け合いつつ、組合教会の伝統である自由自治の教会、各個教会主義の教会であるのであろう。 



(1)   高橋虔著「組合教会について」『キリスト教社会問題研究 第37号』、1989年、285頁。

(2)   『日本組合教会』、15‐17頁。