聖書の各文書とその内容  

                                           作成:川上純平(200825

類型区分

文書名

内容

旧約聖書

(全39巻)

歴史

モーセ五書

1.創世記

2.出エジプト記

3.レビ記

4.民数記

5.申命記

・天地創造からアブラハムによる古代イスラエル民族の発生を経て、出エジプト、十戒、モーセの死まで。

申命記的歴史

及びルツ記

6.ヨシュア記

7.士師記

8.ルツ記

9.サムエル記上

10.サムエル記下

11.列王記上(※列王紀上

・イスラエルのカナン(パレスチナ)侵入から王国の成立を経て、バビロン捕囚まで。

12.列王記下(※列王紀下

歴代志的歴史

及びエステル記

13.歴代志上

14.歴代志下

15.エズラ記

16.ネヘミヤ記

17.エステル記

・ダビデ、ソロモンから捕囚を終えての帰国まで。エステル記はペルシャ時代のユダヤ人について書かれたもの。

文学

18.ヨブ記

19.詩編(※詩篇)

20.箴言

21.コヘレトの言葉(※伝道の書)

22.雅歌

・「詩歌」として分類されることもある。日常生活の喜び、苦難、感謝、讃美、知恵等。

預言

3大預言書と

哀歌、ダニエル書

23.イザヤ書

24.エレミヤ書

25.哀歌

26.エゼキエル書

27.ダニエル書

・イスラエル民族の罪に対する断罪の言葉、悔い改めへの促し、未来への励まし。

12小預言書

28.ホセア書 

29.ヨエル書

30.アモス書

31.オバデヤ書

32.ヨナ書

33.ミカ書

34.ナホム書

35.ハバクク書

36.ゼファニヤ書(※ゼパニヤ書)

37.ハガイ書

38.ゼカリヤ書

39.マラキ書

新約聖書

(全27巻)

歴史

 

 

 

福音書

1.マタイによる福音書

2.マルコによる福音書

3.ルカによる福音書

4.ヨハネによる福音書

・イエス・キリストの生涯と言葉。

マタイ、マルコ、ルカのみ類似点が多くこの三つは「共観福音書」と呼ばれる。

 

5.使徒言行録(※使徒行伝

・原始キリスト教会の誕生とその発展の歴史。

手紙

パウロの手紙

6.ローマの信徒への手紙(※ローマ人への手紙)

7.コリントの信徒への手紙T(コリント人への第一の手紙)

8.コリントの信徒への手紙U(コリント人への第二の手紙)

9.ガラテヤの信徒への手紙(ガラテヤ人への手紙)

10.エフェソの信徒への手紙(エペソ人への手紙)

11.フィリピの信徒への手紙(ピリピ人への手紙)

12.コロサイの信徒への手紙(コロサイ人への手紙)

13.テサロニケの信徒への手紙T(テサロニケ人への第一の手紙)

14.テサロニケの信徒への手紙U(テサロニケ人への第二の手紙)

15.テモテへの手紙T(テモテへの第一の手紙)

16.テモテへの手紙U(テモテへの第二の手紙)

17.テトスへの手紙

18.フィレモンへの手紙(※ピレモンへの手紙)

・ローマからガラテヤまでを「四大書簡」と呼び、これらはパウロの中心思想を伝えている。

・エフェソからコロサイとフィレモンを「獄中書簡」と呼び、これらはパウロが獄中で書いた手紙であるとされてきた(注)。

・テサロニケは、イエス・キリストの再臨待望に関して書かれている。

・テモテとテトスは、「牧会書簡」と呼ばれ、教会の指導、管理、監督上の教えが書かれている。

 

(注:伝統的にパウロが書いた手紙は13通あるとされているが、現代の聖書学の研究成果によると実際にパウロが書いたのは「ローマ」「コリントT・U」「ガラテヤ」「フィリピ」「テサロニケT」「フィレモン」の7通のみで残りの6通はパウロの名、権威を借りて書かれたものであることがわかっている。)

他の使徒たちの手紙

19.ヘブライ人への手紙(※ヘブル人への手紙)

20.ヤコブの手紙

21.ペトロの手紙T(※ペテロの第一の手紙)

22.ペトロの手紙U(※ペテロの第二の手紙)

23.ヨハネの手紙T(※ヨハネの第一の手紙)

24.ヨハネの手紙U(※ヨハネの第二の手紙)

25.ヨハネの手紙V(※ヨハネの第三の手紙)

26.ユダの手紙

・ヘブライには大祭司キリスト論を主にして牧会指導上の説教が記されている。

・ヤコブからユダまでは「公同書簡」と呼ばれ、広範囲の一般信徒に書かれたもの。

預言

27.ヨハネの黙示録

・終末時におけるキリストの来臨と神の国について書かれた黙示文学。

 ※各文書の名称は『聖書 新共同訳』(日本聖書協会、1997年)に従ったものであるが、( )内の名称は『聖書 口語訳』での名称

を意味する。またこの表はプロテスタント教会で正典とされている聖書各文書に関するものである〈カトリック教会を含む他の教派

では旧約聖書の正典が異なる〉。

 

〈参考資料〉

・浅見定雄著『旧約聖書に強くなる本』、日本基督教団出版局、1989年〈第13版〉。

・土戸清著『現代新約聖書入門』、日本基督教団出版局、1991年〈第9版〉。

・遠藤周作編著『キリスト教の事典 《聖書の世界がわかる》』、三省堂、1989年。

・『岩波キリスト教辞典』、岩波書店、2002年。

 

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